最近の花粉症の患者さんはスギだけではなく、1年中、何らかの花粉で症状がでるという方が多くなっています。5-7月はカモガヤ、8月はイネ、8-10月はヨモギやブタクサのアレルギーが多いようです。当院では、そうした方に、それぞれの症状に合った適切な薬剤を使うことで、少しでも楽に過ごしていただきたいと考えています。
鼻アレルギー診療ガイドラインでは、重症度を軽症、中等症、重症・最重症の3段階に分けています。ただし、1日に鼻をかむ回数が6回以上だと中等症以上になりますから、医療機関を受診される方は、ほとんどが中等症、重症・最重症になると思います。また、病型を主な症状によって、くしゃみ・鼻漏型と鼻閉型・鼻閉を主とする充全型の2型に分けています。
ガイドラインには重症度、病型によって推奨する治療がそれぞれ示されていますが、上記のように受診される方の大部分が中等症以上であることを考えると、治療の基本は、くしゃみ・鼻漏型では第2世代抗ヒスタミン剤+鼻噴霧ステロイド薬の2剤併用、鼻閉型・鼻閉を主とする充全型では第2世代抗ヒスタミン剤+鼻噴霧ステロイド薬+抗ロイコトリエン薬の3剤併用が基本になります。これに加えて、目のかゆみなどがある場合は第2世代抗ヒスタミン剤の点眼薬、鼻閉がひどい場合は交感神経刺激薬の点鼻薬の使用など症状の合わせた薬を加えることで、辛い症状を抑えます。
ところで、鼻噴霧ステロイド薬と抗ロイコトリエン薬はすぐに効果が出るわけではありません。効果が出るまで、鼻噴霧ステロイド薬では5日間程度、抗ロイコトリエン薬では2週間程度かかります。ですから花粉症の治療は、症状が出てからでは遅く、症状が出る1~2週間前から治療を開始する必要があります。
また、最近、第2世代抗ヒスタミン剤と交感神経刺激薬の合剤が発売になり、鼻閉のある方には有効な治療薬になる可能性があります。
以上のように、当院では、花粉症、アレルギー性鼻炎の患者さんを、ガイドラインの沿った方法、それぞれの症状に合った方法で治療させていただいております。症状のある方は、ぜひ、受診ください。